2008.05.24
それでも俺は、ビアンに蹴り倒されたい
しかしながら、トゥールに氷の目線を浴びせられるのもまた捨てがたい。そんな俺の夢。そう。今、「護樹騎士団物語」がアツい!
読むのがあまりに勿体無くて、ついつい積んでしまう小説は久しぶりですよ。でも、そうも言っていられない状況になってきたので、一気に最新刊の「灼熱の真紅の翼」まで読破いたしました。ああ、面白い。今、一番オススメの作品でござい。
ええと、未読の方々へ、誤解を恐れずに申し上げると。例えば「世界名作劇場」を舞台に、「Vガンダム」のウッソ君が「エスカフローネ」に乗って戦うかと思いきや、さらに「天地無用」やら「星界の紋章」やらを追加した感じでしょうか。……ごめんこれじゃ俺と同年代にしか通じないや。
そもそも、他の作品を引き合いに出すのも作者の方に失礼ですわね。本作は、昨今珍しいかもしれないくらい熱い血の通った物語で、読み応えは充分かつ変に堅苦しいところも感じさせず、純粋にエンターテイメント性を追求した良作だと思います。SFでもありファンタジーでもあり、軍記物や騎士物語っぽくもありジュヴナイルでもあるという。まぁ、たまに少々ご都合主義が過ぎるきらいもありますが、それも含めて楽しめます。個人的な感想を一言で申し上げるならば、これは良い意味で実にヲタ向きな作品ではないかと。
もちろん、腐女子の方々にも自信を持ってオススメできますよ?何しろ主人公のリジュー君は、ミステリの主人公も真っ青なくらいの巻き込まれ体質で、しかも男女を問わずモテモテですからね。貴族出身のエリート士官候補生達が、訓練したりいがみ合ったりでキャッキャウフフですよ。これ以上の説明は不要と存じます。
高慢ちきな自信家だけど相応の実力もある<侯爵>とか、女たらしで飄々としている影の実力者ジャン・ルイとか、嫌味で頭脳明晰な思想家……の割によく死にそうな目に遭う紋章官オゾンとか、オイシイ連中ばかりです。個人的には、渋めの年上おヒゲキャラとしてブラッカイマー大佐を推したいっす。
ブラッカイマー「フフフ。そら、どうしたディオデイト候補生。私の『みぞおち』を存分に見給え」(クイックイッ)
(※上記はフィクションです。大佐はそんな人ではありません。多分)
……さて、と。言うに及ばず我らが美しき姫様達も、これでもかってくらい魅力的です。つーか俺、トゥールかビアンかで血管切れるくらい真っ剣に悩むもんなァ。今んトコ、猫が止めようが何だろうが、ビアンがやや優勢かも。7巻の上下で一回ずつ出てきた、「どうせわたしは~」発言は反則ですよ。
一方で、トゥールは相変わらず不憫ですなぁ。無論、そこがイイんですけど。その点に関して、ちょっとだけ「続きを読む」に入れておきます。
他にも。ビアンを「お姉様」と呼ぶ、再登場は確実な12歳の超絶美少女伯爵家当主プリスティナ様が俺の大本命かと勢い込んでいると、「あのね」「あなたね」「しっかりしなさいよね」なしゃべりが俺のどストライクな、14歳のリタさんが満を持しての登場とはこれ如何に!?CVは!俺の脳内CVは、南央美で再生されました。起動。起つ騎士を称えよ。ウォンウォンウォン。
つーワケで。もし興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、とりあえず4巻まで読んでみることをお勧めします。お好きな方は、1巻の時点で「当たり」の匂いを嗅ぎ取れるのかもしれませんが。4巻まで来ると、周りの知人達に比べるとそれほど活字中毒ではない俺にも、分かり易く面白かった展開が待っていますので。ちなみに俺は、4巻でリジュー君がパンとスープ食うシーンが地味にお気に入り。
では最後に。本記事において、真っ当なファンの方に側頭部を蹴られかねない内容が一部ございましたことを、心よりお詫び申し上げます。でもさ、突然俺の中で<声>が聞こえるんだから、これはもうしかたないよね。