2010.02.13
えっくす☆きゅーとなバレンタイン2010
某日、某所にて。すり切れたコートの襟をかき合わせるようにして、寒さに身を震わせながら。その女性は消え入りそうな声でこう告げた。
あいか「……あのう、チョコレートを、一箱だけいただけないでしょうか?」
……。
……。
ころん「母ちゃん遅いね」
ちいか「そうだね、いつもならそろそろ帰ってくるのにね」
ころん「ちいか姉ちゃん、おいらお腹減った!」
ちいか「ダメよころん、そんな意地汚いこと言っちゃ」
(ぐぅーきゅるる)
ころん「何だい、姉ちゃんだってハラペコじゃんか!」
ちいか「///」
ガチャ、ガラガラ。
ちいか「あ、お母さん帰ってきた!」
ころん「おかえり、母ちゃん!」
あいか「……ああ、ただいま、お前たち」
あいか「さあ、今年のチョコレートだよ。二人で仲良く分けてお食べ」
ちいか「……え? 一箱、だけ?」
ころん「母ちゃんの分は?」
あいか「! ……か、母ちゃんはねえ、我慢できなくてお外で先に自分の分を食べてきちゃったんだよ。だから、これはお前たちの分」
ちいか「……」
ころん「……」
ちいか「あたし、お腹一杯だから。あたしの分、半分お母さんにあげる!」
ころん「お、おいらの分も!」
あいか「……っ! 二人とも、優しい子だねえ。そんな子たちに気を遣わせて、ダメな母ちゃんだね。貧乏な家で、本当にゴメンねえ」
ちいか「大丈夫だよお母さん、あたし、大きくなったら社長さんになって、お金たっくさん稼いでくるから!」
ころん「おいらも! おいらもしゃちょーになって、母ちゃんに腹一杯チョコレート食べさせてやるよ!」
あいか「まあまあお前たち……母ちゃんは幸せ者だよう。おーいおいおい」
ちいか「お母さん!」
ころん「あい母ちゃん!!」
ひめの「って、アホかぁぁぁぁぁっ!!」
ひめの「そない貧しい家が、一箱2,000円もするチョコ買うなや!! 何それ? 何そのショートコント!?」
あいか「いや、その、だってさぁ」
ちいか「理屈で言えばそーなんですけども」
ころん「ほら、気分的にさ? 去年までは少なくとも6人分買ってたワケだし」
ひめの「……せやったな。どう考えてもそっちのがおかしいわ」
みう 「うんうん、そうだよねえ、ちょっとリアリティが無いよねえ。あい母ちゃんなら、夜のお仕事でバンバンお金稼いで来そうなモンなのにー」
リアン「みう!? そこじゃない!!」
はい、まあ、そういうワケで。一日早いけどバレンタインデーネタでした。引越し関連のあれこれでお金を使い切ってしまった所為で、今年は涙を呑んでこんな形に。今回一箇所だけ試してみたのはこちらのお店。新宿伊勢丹に店舗があるみたいです。あ、これ美味しい!普通のガナッシュとかとはちょっと違って、外側がかなり固めのチョコレートになっていて食感が面白い!
そうして高級チョコをつまみながらバーボンをちびちびと。毎年恒例ながら、幸せな冬の一時です。でさ、夢の無い話をすれば。この時期にデパートの特設会場あたりで売っている舶来物のチョコレート、きっと値段の大部分は輸送代だったりするのでしょうし。だったら日本メーカーの品を買った方が良いのですよ、コストパフォーマンス的にも内需拡大な意味でも。円高だからって、別にこのテの品は安くなっている風でもないですし。でもよう、せっかくだしよう、夢のある話でいいじゃんかよう。ってことで、国産品はまたそのうち、神戸や東京に買いに行きますのでよろしく。