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2018.03.04

エクス↑カリバー↓!!

またやってもうた。ノリと勢いだけでお酒買ってもうた。

Aika_Excalibur.jpg
しかもかなり良いやつ2本

左:Elixir Distillersから1995クライヌリッシュ21年
右:Meadowside Blendingから1972ブレンデッドウイスキー“Excalibur”45年

ご覧の通り、左は「エリクサー」「エリキシル剤」そして右は「エクスカリバー」という、ヲタの耳に非常に馴染みのある単語を目にして、条件反射でポチっていたのです。うひょー。アホですわ。

……まあ、エリクサーはイギリスのWhisky Exchangeのブランドで最近ラフロイグとかが話題になっていましたし、今回初めて見た名前というわけではなく。ボトルも俺のいっとう好きなクライヌリッシュ、しかも最近ではリリースがめっきり減ってしまった95~97に該当するヴィンテージということで、ちゃんとスペックも見て買っています。余談ですが2000年以降のクライヌリッシュってあまり見かけないですよね。ほとんどがオフィシャルか、ブレンドに回されてしまっているのかしら。

早速味見してみます:バニラ、レモンパイ、麦。非常にバランスの良い(たぶんバーボンホグスの)クライヌリッシュです。個人的に期待しているワクシー感も少しありますが、昔エージェンシーやスリーリバーズからよくリリースされていたワクシー全開なボトルとは大分印象が違います。またああいうの出て来ませんかねえ。まあ、これはこれでとても美味しいですけど。お値段のことを考えるとちょっとコストパフォーマンスは良くないかも。

さて続きまして。皆さまお待ちかね! (そのまま飲み込んで。僕の)エクスカリバーの方。もう完っ全に、名前の響きだけで買っています。これ自体はシリーズの一発目らしいのですが、検索してみると「エクスカリバー」という名を冠したウイスキーは過去にもあったみたいですね。知らんかった。何はともあれ、見れば見るほど興味深い品であることが分かりました。このボトルは次回の本で紹介する予定ですし以下の内容はそれと一部重複することになってしまいますが、先にコメントしてしまいましょう。

ヨーロッパで昨年11月頃には発売されていたようなのですが、日本に入ってきたのはつい最近です。……売れ残ったのかな。ま、まあ確かにブレンデッドだし、手を出し難いのも分かる気はします。ただスペックから言って、ここ最近異常なまでに値上がりしているシングルモルトに比べれば、まだ納得の出来る値段だと思いたいです、けど、俺だって「エクスカリバー」じゃなかったらスルーしましたわ。

ブレンデッドウイスキーであるにも関わらず、ヴィンテージが記載されている点に注目。普通に考えれば、今のタイミングでグレーン含めて1972年蒸留の原酒をかき集めてきて、ブレンドして発売という流れ。ところが、真偽のほどは分かりませんが一部の海外サイトでは「40年間同じ樽で熟成された」というコメントがあるのです。ホンマかいな。5年熟成の原酒を一旦ブレンドして、そこから改めて長期熟成させるというのは考え難いですけど……。そういうコンセプトで作られた商品であれば、大いにロマンを感じます。そして一方で、非常にテキトーな仮説がありまして。これ、忘れていたんじゃねえの? つまり、本来は5年熟成の原酒を使って、年数表記無しのお手頃ブレンデッドウイスキー作ろうとしていて。ブレンド後に一旦馴染ませる為に樽に入れたうちの複数樽が、熟成庫の奥ですっかり忘れられていたと。一応の辻褄は合う気がしますが、まあ聞き流しておいてください。

それではこちらも味見してみます:さすがにこのスペックは伊達じゃない。非常に上品で複雑な香り。公式コメントに「チェリー」とあり、それは感じ取れます。70年代のブレンデッドらしく、綺麗なシェリー樽の原酒がそれなりに使われていると予想。度数が低い為もあってか力強さは一切無く、線の細い軽やかな味わい。ここでも公式コメントを参照すると南国フルーツとあるのですが、90年代ティーリングや76トマーティン等のような分かり易い感じではなく。フルーティーはフルーティーでも、ラズベリーとかのベリー系の方じゃないかなあ。あとチョコレートに、ブランデーを思わせるようなブドウ感もあり。

45年という長熟なだけに、過剰な熟成から来る渋みとかがあるかもという不安もあったのですが大丈夫。ブレンディング技術によるものなのか、はたまた樽の影響が少なかったのか。見事な出来の貴重なウイスキーです、じっくりゆっくりいただきます! 1st fillの樽だとこうはならんかったと思いますし、やっぱ馴染ませる為のプレーンカスクで休ませていたのが忘れ去られた説がですね(しつこい)。